るるぷらす

るるぷらす、だおー

映画『チャッピー』を観て、未来の戦争を考える

先日、現在公開中の映画『チャッピー』を観に行きました。

映画『チャッピー』 | オフィシャルサイト | ソニー・ピクチャーズ

f:id:egyo2nd:20150529223614p:plain

一言で内容をいうと、本当の心を持ったロボット『チャッピー』が大活躍する映画です。しかし、それだけではなく、チャッピーを通じて、いろんなテーマが凝縮されていて社会的なことを色々考えてしまいました。ただ単にど派手なアクションがある映画とは異なり、登場人物達の思惑が交差する物語でした。

劇中に出てくるロボットはもともと治安維持のための警察用として開発されていて、そういったロボットが有効に機能して普及してくると、逆に征圧される側の犯罪者集団としてみれば、ロボットに対して敵対心を生んでしまいます。

一方、現実世界を見てもロボットを兵器として導入が進んでいます。

F-35が最後の有人戦闘機に──米海軍長官 ランチャーから射出する“群れる”ドローンも公開 - ITmedia ニュース

そういった観点からこの映画を見た時に、未来の争いってどうなるんだろうって思って妄想してみた。

これまでの争いは人対人で行われ、その争いの中でいろんな武器や兵器が開発され人間の技術力が向上してきました。しかし、武器や兵器がいくら性能向上しても、結局、人間自体に危害を加えてしまう争いという概念自体に変化はありませんでした。

近代戦争では、紛争解決のひと手段として、実際には使用できないような強力な兵器を伴って抑止力を使った戦略による争いが多くなりました。また、無人探査機など人間が遠隔操作で攻撃を行うようになってきていて、攻撃する側の戦死者数もだんだん少なくなっていくのだと思います。

さらに考えを進めて、未来で起こる争いでは、人間は戦闘に介入しなくなると思う。すべてがリモート操作または人工知能(AI)によるロボットでの戦闘に置き換わる。ロボットが補給地や重要地点を直接攻撃し、またロボットがそれらの攻撃から防衛することになる。したがって、戦死者する人間の戦闘員は限りなくゼロに近づく。結局の争いの勝敗は科学技術力によって左右される。

しばらくそういった戦争が続くと、争いを行う土地も特定の場所でのみ行われるようになっていくんじゃないかな。それらの戦闘で紛争を解決するようになる。そうなるとそのステージには民間人はいないので、民間人の犠牲者もいなくなる。さらに戦争は遠い未来にはスポーツのようになり、多くの民衆が熱狂する一大イベントになる。

仮に、国際協定を破り、人民居住区に直接攻撃を仕掛ける集団はテロと呼ばれ、世界中から非難され経済制裁やエネルギー制裁を受ける。また、ロボットによる防衛は長年の「戦争ごっこ」のおかげで飛躍的に技術向上されていて、生身の人間で対抗できるものではなくなっている。

人類が宇宙へのエクソダスした後も、この「戦争ごっこ」の伝統は維持され、コロニー内の政治はこれによって紛争解決されていくようになる。他の惑星で知的生命体と対話するときに、その民族が昔ながらの人対人の戦争をしていると「野蛮な民族」というようになるんだろうな。

リモートによる戦争が更に高度化すると、仮想戦争に置き換わる。仮想空間で戦争するようになり、それはさながらゲーム大会のように見える。勝敗は科学技術力というよりも、より速いスーパーコンピュータを所有している国が有利になっていく。

そんな未来くるかな?


チャッピー / CHAPPiE 予告編 - YouTube